嗣希創箱の消閑

小説、落書き、二次創作、etc…。 あなたの暇潰しのお供にどうですか♪ 

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《なのはさん。》第一稿3

 ◇◆◇◆◇

 結局、あれから――プールから帰ってすぐに、二人は私に魔法やジュエルシードのことを説明しました。……べつに話さなくて良いって言ったのに、律儀だなぁ。
 …………正直、物陰からこっそり見てる方が高都合なのに。はぁ。
 まあでも……魔法の練習とかジュエルシードの捜索に同席できるっていうのはありがたくもあるので、結果的には良かったと思おう。
 そろそろもう一人の魔法少女が現れるだろうことを思えば、前者の――今のなのはちゃんの実力を逐一把握できるっていうのは大きいし、後者の危ない場面に居合わせられるっていうのも安心できて良い。遅くまで出歩くのも私がいっしょということでお母さんたちをむだに心配させなくてすむしね。
 ……本当に、いざとなれば私が魔法を使えばすむし、まあ結果オーライとしよう。…………でも出来れば『闇の書』事件までは不干渉で行きたかったな。私の魔法……アースラ以外の局員に目をつけられたらたまんないし。
「――って、ゆり! あんた、はやてになんて紹介してんのよ!」
 果たして日にちは過ぎ、場所は近くのサッカーグラウンド。学校がお休みということもあり、私となのはちゃん、アリサちゃんにすずかちゃんと、なのはちゃんの勧誘攻撃についには折れて連れてこられたはやてちゃんの五人は今、お父さんがオーナー兼監督の翠屋JFCという少年サッカークラブの応援に来ています。っと、あれ? アリサちゃんが……怒ってる?
「ん? なにが?」
 とりあえず首を傾げ、問い返す。……つい、これからのことを考えてて聞いてなかったよ。反省反省。
「だ・か・ら! なんであたしの紹介が『「アリサ」の類義語は「シャナ」、「ルイズ」、「大河」』なのよ!」
 ああ! 私はアリサちゃんのセリフで、先ほどまで彼女たちがはやてちゃんと自己紹介を交わしあっていたことを思い出した。そう言えばアリサちゃんとすずかちゃんて、はやてちゃんと会うの初めてなんだっけ。それでアリサちゃんは私の紹介が気に入らなかった、と。……って、『なんで』って聞かれてもなぁ。
「それは当然――わかりやすいから?」
 首を傾げて返し、はやてちゃんに同意をもとめるような視線を向けると「ツンデレなんですね、わかります」て、親指を立てて返された。
「……ね?」
「『ね?』じゃないわよ!! っていうか意味わかんない! なによ、『シャナ』って! 『ルイズ』とか『大河』ってなに!?」
 え? 知らないの?
 私はまたはやてちゃんに視線を「つまり……ハミング・イエイ、やね」って訳知り顔でネタを振られても……。
「……は?」
「ふっ……本を読め、本を」
 って、わ!? ついノッてしまっ「な、なんですってー!?」怒ったアリサちゃんに頬をひっぱられ、涙目に。くっ……ハメやがったな畜生、なの!
「にゃはは。あ、ちなみにすずかちゃんは?」
「『主食は物語です』だって」
 え? 『文学少女』って意味なんだけど……マイナーだった?
 私は痛むほほをさすりさすり、苦笑してるなのはちゃんとすずかちゃんを見た。あ、でもすずかちゃんはわかってるみたいだから、そこまでマイナーじゃないのかな?
「あはは。まあ、ゆりちゃんは重度のオタクやからなぁ。……わたしもゆりちゃんのせいでこうなったんよ」
 って、待った!
「う、うそだよ! 私が教えたのはインターネットや、今はやってるアニメとかだけだもん!」
 むしろオタクにされたのは私の方だよ! そう叫ぶも「はいはい、そーだねぇ」とアリサちゃんはまったく相手にしてくれない。ひ、ひどい!
 なのはちゃんもなのはちゃんで「あ、だから本棚にたくさんマンガの本があったんだ」とまるで見当違いかつ私が教祖だっていう誤解を広めかねないこと言ってるし、すずかちゃんは聖母みたいなやさしい笑顔浮かべてなにも言わないし!
「あ、そう言えば前に借りた美少女ゲームのことなんやけど――」
「どーして今言うの!? っていうか、おまえは少し黙ってろ、なの!」
 私は『ビシ!』とはやてちゃんを指差し、どうにか誤解をとこうと三人に説明しはじめました。
 はやてちゃんが『何か面白い本はない?』って聞くからお姉ちゃんの部屋の本を適当に貸したこと。インターネットのチャットルームや学校ではやってるアニメを教えたこと。そして気付けば逆にいろいろと染められてたことを懇切丁寧に話しました。
 そして、
「ぷっwww オタク必死wwwww」
 …………へえ。第一声がそれなんだぁ、ふーん。
 私はにんまり笑ってはやてちゃんに向き、
「……ねぇ、はやてちゃん。私と、今からサッカーしよっか? あ、もちろんはやてちゃんがボールね♪」
 言いつつ、はやてちゃんの肩をポン。あはは、今さら顔を青ざめさせても遅いよ~♪
「あ、でも……サッカーボールに体はいらないよね♪」
 果たして私は、もって来ていたバッグから小太刀を取り出し、
「って、ちょお……!? ほ、ほんま調子にのってゴメ――って、きゃー!?」
「にゃぁあ!? ちょっ、ゆりちゃん、落ち着いてぇ……!!」
「ゆ、ゆり!? あんたその刃物、どっから!?」
「だ、ダメだよゆりちゃん! それ、洒落にならないよ~!」
 結局、三人に羽交い締めにされ土下座するはやてちゃんの前で「HA☆NA☆SEなの!」などとやってる間にサッカーの試合は終わってました。……お父さん、ごめんね。

 ◇◆◇◆◇

 わたし、フェイト・テスタロッサが母さんに頼まれてロストロギアを――ジュエルシードを集めだしてから数日。果たして現地の魔導師だろう、同じくジュエルシードを集めているらしい白いバリアジャケットをまとった女の子とは、もう何度も衝突していた。
 しかし、
「――じゃまはしないよ。私は、みてるだけ」
 初めて、白服の魔導師と対峙した日。彼女を撃退した後で、その子は現れた。
「でも、ひとつだけ。その猫さん、私たちのお友だちの子だから……できれば傷つけないでほしいな」
 その子は、さきの白い魔導師の子と同じ顔で、
 左目をとじたままの笑みを向け、
 隻腕なのか左の袖を風にながし、
「……わかった」
「うん、ありがと♪」
 …………わからない。
 けっきょくその子は、気絶した魔導師の子のそばに立ってただけで、
 最初の言葉通り、わたしの回収作業をただただ眺めてすごし、
「またね♪」
 わたしの去り際には、笑顔で手を振っていた。
 ……どういうつもりだろう?
 果たして、二回目も同じだった。
 彼女は白い子とわたしとが対峙するのをただ眺め、
 それでいて、アルフが手を出そうとすれば慣れた動作でその攻撃をさばき、
 決してわたしたちに危害を加えず、
 かといって白い子に加勢するでもなく、
「わたしはみてるだけ」
 彼女はそう言って笑い、
「またね♪」
 わたしを見送るときも笑顔で、
 そして、それが四度目を数えた、この日――

 彼女は、初めて動いた。

「――ダメだよ、じゃましちゃ」
 相手はわたし――ではなく、わたしと白服の子の間に現れた黒服の少年。転移魔法だろう、突然に現れわたしとわたしへと振るわれた白い子の一撃を簡単に受け止め、時空管理局の執務官を名乗った彼は――
「くっ!?」
 突然切りかかってきた、第三の魔法少女によって――吹き飛んだ。
 っ!? それは完璧なる不意打ち。傍観者を名乗り、いつしかそれを当たり前と思っていたわたしはもとより、切りかかられた少年はその比じゃないだろう。
 早く、鋭く。完全な死角よりの強襲は、いっそ芸術的になまでの見事さで少年をはじき飛ばし――しかしそんな一撃に障壁を張って見せた彼もまた見事だった。
「え……?」
「ゆ、ゆりちゃん!?」
 おそらくは加速魔法を利用した高速接近と魔力をのせた斬撃だろう。彼女の手に握られた片刃の小剣を目にし、そう推測。そしてその行動に、彼女の仲間であるはずの少女とその使い魔だろう小動物とが驚いていることから、これが独断専行だったと知れる。
 しかし――……わからない。
 彼女はどうして、今、行動を?
「きみは――」
 黒服の少年は厳しい表情と手のなかのデバイスをその子へと向け、
「ほら、なにしてるの?」
 遮り、少女はチラリとうしろを――わたしともう一人の魔導師の子とを見やり、言った。
「なのはちゃんにフェイトちゃんは、まだ『お話』の途中なんでしょ? ……大丈夫、もうじゃまさせないから!」
 ……なるほど。つまりこの子の目的は、わたしたちの話し合いを邪魔した少年を抑えることにある、と。…………『話し合い』?
 おそらくはジュエルシードを賭けた戦闘のことだろう。そう、少女の言葉からそれとなく現状を考察し、思う。……これはチャンス、かな?
 彼女の真意はともかく、少なくとも今、少年の注意はわたしから逸れてる。だから――
「きみは、ジュエルシードの危険性を理解しているのか?」
 ……さすがに、そう簡単には行かない、か。少女と対峙しながらもわたしともう一人の子を牽制するように睨むさまを見ながら歯噛みする。……せめて彼女が真に味方であれば、その行動を信頼できるのに。最悪、全員が敵に回った時を思い、わたしは手の中のデバイスを――バルディッシュを強く握った。
「……さあ、どうだろう?」
 少年の問いに少女がそう笑って返すのを見て、そう言えば、と気付く。この子……もしかして『管理局』を知らないのかな?
 思い出すまでもなく、現状、仮にも管理局の執務官を名乗った少年に対してここまでできるのだ。その可能性は高い。
 さらに言えば、ここはおそらく管理『外』の世界。だからこそ管理局を知らないことは半ば当然とも言えるし、或いはだからこそ彼のような魔導師として優秀な執務官が一人で先行しているのだろう。
 だとしたら――

 ◇◆◇◆◇

 私があまり干渉しなかったのが良かったのか、ジュエルシードの収拾やフェイトちゃんとの戦闘なんかは私の記憶の

とおりに進行していた。……まあその私の記憶じたい曖昧になりつつあるし、連休にははやてちゃんもいっしょに温泉行ったりといった違いもあるんだけどね。
 だけど、おおむね順調。フェイトちゃんとの遭遇時はことごとく席を外したし、今まで私が魔法を使えることは隠してたしで少なくともフェイトちゃんとアルフさん的には私の存在なんて眼中に無かったろう。
 そして――だからこそ、この状況下で私は動いた。
 いつもは影に潜むだけの私は今日にかぎり、突然あらわれた執務官の少年――クロノくんに切りかかり、牽制。戸惑ってる二人をけしかけるように言葉を投げる。
「ゆ、ゆり! その人は管理局の――」
「ごめん、ユーノくん。今は話しかけないで!」
 気が散るから。そう返し、ユーノくんの説明を封じ込めつつ「ほら、二人とも! やるなら早くして!」と叫び、あたかも管理局を知らないかのようにふるまう。
「で、でも! ゆりちゃんは魔法が――」
「大丈夫、なのはちゃんのを見てだいたい覚えたから!」
 ……ごめんね。ここでユーノくんの話を聞くわけにはいかないし、何より私がここで干渉しないわけには行かないの。
「『覚えた』って……」
「いいから! なのはちゃんはフェイトちゃんとお話ししたいんでしょ!? 私なら大丈夫だから、早く!」
 ――なのはちゃんは、前世の私と同じなら、これから彼らといっしょにジュエルシード事件を解決しようとする。
 そしてそうなれば、ただ事情を知っているだけのゆりは置いてきぼり。二人の決戦はおろか、またフェイトちゃんが時の庭園といっしょに消滅するのすら見届けられない。
 だから――

 突然、私たちに向かって放たれたアルフさんの魔法に――歓喜した。

「「――っ!?」」
 驚愕は、目の前のクロノくんと同じように。私たちはそれぞれ回避に回り、そして「逃げるよ、フェイト!」というアルフさんの台詞に、そろって目を剥いた。
「な……っ!?」
 心底驚いた――そんな演技をしつつ、クロノくんの牽制も忘れない。
 同じように目を丸くしてるなのはちゃんの眼前でジュエルシードを回収し、逃げようとするフェイトちゃん。それを攻撃魔法で止めようとするクロノくんに「あ、あの子に攻撃なんてさせないの!」と言いつつ切りかかる。
「くっ! きみは――」
「逃げるなら逃げて!」
 標的を、ひとまずは私へと切り替えるクロノくん。彼の的確で素早い魔法運用をよく知る私は叫ぶようにフェイトちゃんへと言葉を投げ、
「それから――またね♪」
 最後に笑顔を向け、彼女たちの転移を見送った。
「「…………」」
 果たして、残る二人の少女とフェレット。そしてクロノくん。……さて、どうしようかな?
 ことの成り行きに呆然としているなのはちゃんはともかく、ユーノくんはさっきっから頭を抱えてるし、クロノくんに至っては私を睨んでる。……セオリー通りなら、まずは私たちの無力化、しかる後にアースラへ連行、ってところだけど――
「……まず、確認だ」
 クロノくんはそう言ってチラリとなのはちゃんを――その横のユーノくんを見て、言った。
「そこのフェレット。きみは僕らを――管理局を知っているな?」
 ……なるほど、そう来たか。
 クロノくんの言葉に怪訝な顔を浮かべながら、内心では納得する。さっきの会話で少なくともユーノくんは管理局を知っているとふんだのだろう。絡め手にはなるけど、そのことをユーノくんに話させることで私たちを無力化させよう、ってとこかな?
 クロノくんはそして降参だとばかりに両手を軽くあげ、一歩後退。私は表面上だけ怪訝そうに眉根をよせながら警戒は解かない。……めんどうだけど、ユーノくんの説明をきくまでゆりは警戒を怠れないから仕方ない。
「…………ユーノくん?」
「あ、うん。今から説明するよ」
 果たして、ユーノくんの説明をうけた私は――……はなはだ不本意ながらも一応、クロノくんに謝るのだった。
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