嗣希創箱の消閑

小説、落書き、二次創作、etc…。 あなたの暇潰しのお供にどうですか♪ 

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《こなたinリリカル》2

《こなたinリリカル》


 一目で、わかった。

 ああ、この人はもう助からないんだ、って。

 もう、なのはがいくら寂しくて泣いても、いくら話しかけても応えてくれないんだ、って。

「……や、だよ」

 だから、なのはは倒れるお兄ちゃんに縋った。

 血に塗れることも厭わず、だんだんと冷たくなっていくお兄ちゃんに抱き付いた。

 そして――叫んだ。

「助、けて……。助けて、よ……!」

 或いは誰かに。或いは世界に。

「嫌だ! 嫌だよ! お兄ちゃんを、殺さないで……!! お兄ちゃん……助けて!! 助けてよ!!」

 わたしは、願った。

 ただ純粋に、願った。

「小宇宙お兄ちゃぁあああああん!!」

 そして――



 その願いは、青い宝石によって叶えられた。






 こなたinリリカル





 こなたです。

 あ、こなた改め小宇宙です。ちなみに『小宇宙』と書いて『コスモ』です、こんにちは。

 皆さま、今、私がどうなっているかわかりますか? なんとビックリいきなりベッドで入院で骨折ですよ? 全治一週間ですよ? もう目覚めてすぐに『知らない天井だ』って言いましたね。

 さて、話は変わって昨日の晩のことですが……結局は原作通り、なのは様一人でキッチリ祟り神モドキに引導を渡して、原作とは違って一人バカみたいに伸びてる私のために救急車呼んで警察呼んでバタバタしたらしいです。

 ……うん、ぜんぶ後でなのはから聞きました。涙目プラス膨れっ面という実に萌えるシチュで。しかも遺言(?)の手造りお菓子を持って放課後にお見舞いに来てくれた時に。

 なのはは俺の嫁! ハイ、これ世界の常識ネ☆

 更には、どうにも私の怪我やドタバタ怪物退治の跡やらはトラックのせいってことになったようで……うふ♪ 私、なのはを身を呈して守った(←嘘じゃないのが不思議☆)ってことで高町家からの印象がウナギ昇りですよ♪

「いやぁ、やっぱりなのはは良い子だわ。出来るなら今すぐ嫁に欲しいね、私は」

 そう手造りのクッキーを頬張りつつ私。それに頬を染め『にゃ~……!』と照れて顔を俯けるなのはに、私は更に思う。萌えるわ、やっぱ。

 圧迫骨折……というかヒビが入ったらしい肋を気遣いつつウンウンと頷く。

 なのはは冗談だと思ってるんだろうけど、オジサン、割とマジなの。『お、お兄ちゃんのばかぁ……』ってイジケ眼プラス赤い顔して上目使いなんてコンボ決められちゃったら、もう……! 本気でロリコンと呼ばれても良いかなぁって思っちゃったね!

「はぅ~っ! おっ持ち帰り~っ♪ ――って、痛ぁ!?」

 私は思わずなのはに抱き付こうとし、今さらながらに走った激痛に動きを止めた。

「にゃ、にゃ~!? 大丈夫、小宇宙お兄ちゃん!?」

 ……あはは、大丈夫。私は慌てて私の傍らに来たなのはに笑みを作って返し、そっとその頭を撫でた。うーん……どうにもなのはに負い目を与えちゃったみたいだなぁ。

 原作知ってるから言えるんだけど、私のコレは確実に自業自得。っていうか、無駄!

 だからシュンと落ち込む嫁(←文句は言わせませんw)に私は出来るだけカッコ良く笑い、言った。

「そんな顔してないで、なのはは笑ってよ。……じゃないとお兄ちゃん、なんのために頑張ったのかわかんないじゃん」

 完☆璧! ……え? 自作自演と自業自得のくせに、だって? ……はっはっは、ワタシ、ムズカシイ日本語ワカラナ~イ♪

 果たしてなのははそんな、お兄ちゃんスマイルの私に『……うん』と小さく頷き、そしてはにかんだように笑った。

 あは☆ ナイス笑顔! 萌えるよ~なのは~♪

 私は早速そんな思いの丈をぶつけるべく彼女に両手を伸ばし――って、痛ぁ!?

「…………小宇宙お兄ちゃん」

 ああ、そんな呆れ混じりの視線も素敵だよ、マイハニー……。私は痛みにプルプルと震えつつ、にこやかに笑って言った。

「ど、同情するなら金をくれ。……もとい、ぜ、ぜひとも、今ここで変身シーンを見せて下さい。出来ればポーズと、『リリカル・マジカル、始まります☆』って台詞を……!」

 あ、ちなみに『始まります☆』の『☆』の部分は気を付けてね。そこ、結構重要だから。

 そしてそう願い、拝み始める私に、

「って、やっぱりお兄ちゃんは変態さんなのーっ!?」

 なのはは顔を真っ赤にして絶叫しました。



 ◇◆◇◆◇



 失礼な。私はオタクであって変態さんではない――そう自信満々、胸まで張って言う小宇宙お兄ちゃんに、なのははため息です。

 ……良かった。いつものお兄ちゃんだ。

 密かに安堵する。

 思い出すのは昨日のこと。小宇宙お兄ちゃんはあんまり正確には覚えてないみたいだけど……あの時のお兄ちゃんの怪我は、もう重傷を通り越して瀕死。本当に、いつ死んでてもおかしくない状態だった。

 それをなのはは――……ううん、違う。なのはが持ってたレイジングハートの中にあった、ユーノくんが回収してたジュエルシードが、助けた。

 ジュエルシード――ユーノくんの世界からの流出物で、願いを叶えてくれる宝石。

 そしてその、なのはの願いを聞いてお兄ちゃんを死地から救ってくれたジュエルシードは――今、お兄ちゃんと同化してるらしいです。

 ユーノくんの話だと、今の小宇宙お兄ちゃんはジュエルシードが正しく叶えられた状態、なんだとか。だからもし、お兄ちゃんの中のそれを封印したら――



 お兄ちゃんは今度こそ死んでしまう、らしいです。



 そして……なのははそのことを黙っています。

 一応、小宇宙お兄ちゃんに謝るために昨日のことは一通り話したんだけど……そのことだけは黙っています。

 だって…………言えないよ。

 だって、今のお兄ちゃん……昨日の怪物と同じなんだもん。いつ暴走するかわかんない、危険な状態なんだもん。

 だから……言えない。言ったら、小宇宙お兄ちゃんは、絶対……なのはに封印してって言う筈だから。

 『心配かけてごめんね』って、何一つ悪くない筈なのに謝るのが小宇宙お兄ちゃんだから。

 だから――……はぁ。

 なのははため息をもう一回吐いて、仕方ないなぁって諦めます。

 そして小宇宙お兄ちゃんに『い、一回だけだよ?』と言って、ユーノくんから借りた赤い宝石――レイジングハートを手にしました。

「ツンデレ、キタ―――ヾ(≧∇≦*)ゝ――――!!」

 ……我慢です。

 だって、なのははこんな小宇宙お兄ちゃんに助けてもらったんだもん。

 なのはの話をお兄ちゃんは信じてくれたんだもん。

 なのはのためにお兄ちゃんは死にかけたんだもん――そう自分に言い聞かせて、なのはは火照る顔を俯け、早く早くと急かす小宇宙お兄ちゃんから視線を周りへ。……だ、誰も見てないよね?

 果たして深呼吸を一回。そして早速レイジングハートを――って、あ。呪文…………覚えてない。

 なのははだから、改めて期待に瞳を輝かせるお兄ちゃんに申し訳ない思いのまま口を開いた。

「あ、あのっ。……ごめんなさい! なのは、レイジングハートの呪文を――」

 忘れちゃったの。そう謝ろうとしたわたしに、小宇宙お兄ちゃんは、

「『我、使命をうけたもう者なり』だよ!」

 キッパリ、ハッキリ、言いました。

「…………え?」

「あ、違った? じゃあ『我、使命をうけた者なり』かな?」

 ……あれ? 目をパチクリ、呆然とお兄ちゃんを見るなのはに、小宇宙お兄ちゃんはさも当然とばかりにレイジングハートの起動呪文を全て諳んじて見せました。って、ちょっと待って!

「な、なんでお兄ちゃん――『それ』、知ってるのっ!?」

 果たしてその問いにお兄ちゃんは――あ、あからさまに視線を逸らしたぁああ!?

 え? なに? もしかしてあの時、お兄ちゃん――見てたの!?

 ハッ!! そう言えばさっきの『リリカル・マジカル、始まります☆』って、思いっきりその後の――って、意識戻ってたの!?

「こ、小宇宙お兄ちゃんっ! や、やっぱりあの時、コッソリ見てたの!?」

 なのはは途端に恥ずかしくなり顔を真っ赤にしました。

 だ、だってお兄ちゃんが意識無いって思ってたから、なのは……『お兄ちゃん死んじゃ嫌だぁ! なのはをお嫁さんにしてくれるって言ったじゃん……!』って! お兄ちゃんに抱き付いて、泣いて……だからっ!

「うにゃ~っ! お、おおお、お兄ちゃんっ!!」

 なのはは『あ、あははは……』と乾いた笑いを浮かべて明後日を向く小宇宙お兄ちゃんを、思いっきり怒鳴りつけました。



 ◇◆◇◆◇



 ジュエルシードが現れました。……ん? なんか表現的におかしいかな?

 て言うか……なんか私もそれを察知出来た気がするんだけど、なんで???

 ……ま、まぁいいや。うん、とりあえず助かった。

 何か勘違いに勘違いを重ねて巧いこと納得して怒りだした未来の嫁(もはや確定!)を宥めるのに苦労してたんだ。

 だから、なのはが『ジュエルシードが、また……』と呟くや、私はさっさとベッドから降り――

「って。な、何してんの……?」

 ん? ビックリ眼を向けるなのはに私は首を傾げる。何って、そりゃ……見学の準備?

「え? だって『ジュエルシード』が出て、なのはは行かなくちゃなんでしょ?」

 だったら付いて行かなきゃじゃん? そうキョトンとして逆に問い返す。

 ……そうそう。さっき気付いたんだけどさ、この時期のなのはへの手助けって、実はマイナスなんだよね。

 これから先、薄幸幼女の襲来があることから考えるに、なるべく実戦経験を減らさないようにしなきゃって思ったんだ。

 ……でも、せっかくの機会なんだし、介入したい。出来れば近くで見たい。

 そんなワケで私は考えました! そうだ、私はこれから黒子になろう! 某・魔法少女のカメラマンよろしく、私がなのはの知世ちゃんになろう、って!

「……え?」

「ほら、行こう?」

 そんなわけで私はそうお兄ちゃんスマイルを浮かべ、何故か呆然とするなのはを無視するようにさっさと準備をする。

 って、あ゛~……。今さらながらに自身の状態を見直して苦笑。……いくらなんでもパジャマで出歩くのもなぁ。っていうか廊下で捕まる?

「……ふむ」

 思案する(約一秒)。

 チラリと窓を見る(約二秒)。

 即決する(ここまでで五秒)。

「……良し」

 確かここは三階。

 ……うん、大丈夫。人間、七階ぐらいから落ちても死ぬ確率は半々って言うし、例え履いてるのがスリッパでも幼少期から無駄に鍛えられたこの体にはハンデにすらならない……はず!

「ちょ、ちょちょちょ……!! ちょっと待って!」

 私はそして慌てて声をかけるなのはに飛びきりのスマイル&親指『グッ!』を向けて返し、

 さっさと病室の窓を開け放って、

「アぁぁああイっ、キャぁあああン! フラぁあああイっ!!」

 叫んで――跳んだ。

 背後で『にゃぁあああ!!』という悲鳴が聞こえたが、気にしない。

 私は見事な着地を決め――地面でお腹を押さえてうずくまった。うぬぁ……痛たたたた。そして見上げた先で、なのはが窓から顔を出し、涙目でこっちを見ていたが……あれ? なんか、とりあえず笑顔でVサイン返したら怒り出したよ?

 私は内心なのはの態度に首を傾げつつ、なんか騒がしくなって来た病院から逃げるように肋を押さえて駆け出した。

 まあ現地集合ってことで……って、場所は確か神社だったよね? 私は原作知識を頼りに目的地を割り出し、次いで行く途中のコンビニの位置を確認。……良し、なんとかカメラ買ってる時間は確保出来そうだ。

 私はそう思い、即座に全力疾走に移行――って痛い痛い痛い痛い痛い!!

 やはりと言おうか当然の帰結として、振動によって胸はズッキンズッキン痛む。う~……こ、これは何か別のことを考えて気を紛らわせねば! そう考え、そして私は胸を押さえて立ち止まった。

「……せ、精神集中って言ったら……これだよ、ね!」

 ぜぃ、はぁ。肩で息をしつつ壁に手を当てて瞳を閉じる。

 ……集中だ。集中するんだ私!

 嫌な汗が頬を伝い、顎から落ちるが……無視。無視だ。今はとにかく集中だ。

「すー……、はぁ~……」

 深呼吸を長く、一回。

 精神を落ち着け、呼吸を整えながら思い描くは一振りの剣。

 それは、そう。かの有名な王様が持ってた、王を選定する剣。かの有名なゲームに登場した、カッコイい剣。

 私は今、それを――生み出す。

「――――」

 創造の理念を鑑定し、

 基本となる骨子を想定し、

 構成された材質を複製し、

 制作に及ぶ技術を模倣し、

 成長に至る経験に共感し、

 蓄積された年月を再現し、

 あらゆる工程を凌駕し尽くし――私はそして、心静かに言葉を零す。

「――『トレース・オン』」

 それは私なりの精神統一だった――……………………なんて、カッコイい設定なんてありません♪

 ただ、そう。なんとなくノリで。なんとなく、せっかくなのはが魔法少女になったんだから、私もなんかそんな隠れた設定無いかなぁって思っただけ。

 だから――



 本当に手の中に生み出された『それ』を見て、私は喜ぶより前に呆然とした。



「…………ぇ?」

 あ、あは☆ なんか『投影』…………出来ちゃった?
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