嗣希創箱の消閑

小説、落書き、二次創作、etc…。 あなたの暇潰しのお供にどうですか♪ 

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《魔法少女リリカルなのはA’s~Fenrir~》没稿

※ 設定の矛盾から没に。
  勿体無いからうpする。


《魔法少女リリカルなのはA’s~Fenrir~》没稿






 ――勝つのは二の次、三の次。
 混ぜてる時に全てを記憶した。
 ――ヴァーチャルならいざ知らず、リアルで勝ち続けることに意味なんて無いし、何より詰まらない。
 さり気なく積んだ。さり気なく回した。
 ――目指すは某漫画の如く。目指すは、いつも勝敗の向こう側。
 思考トレース。これから先の展開予測も完璧。
 ――さあ、全員で最初と同じ得点を。さあ、みんな仲良くもう一回やろう♪
 囲むは雀卓。面子はなのはに恭也さん、忍さんに士郎さん。
「え、ぁ……、ち、『チー』します」
 俺を膝に乗せ、ルールをよく知らないらしいなのはは俺の指示に従って『チー』を――
「あ。じゃあ、それ『ポン』♪」
 ∑( ̄口 ̄)!?
 忍さんのスマイルに俺となのは、凝固。って、ちょお!? 俺は目をしばたき、マジマジと忍さんの手配をサーチ。って、それじゃあ和了れないの明白じゃん!?
「うふふ。やっぱりその顔……ポチったら、また面白いこと企んでたみたいね~♪」
 忍さんは、とてもとても楽しそうな笑みを浮かべて言った。……って、もしかしなくてもそれだけが理由で『ポン』でせう?(汗)
 ああ……俺にはまだ思考を読み切るってのは無理なのね。高嶺に咲く華には成れませんか。…………しょぼ~ん。
「…………」
「……ぽ、ポチ?」
「…………忍?」
「あ、あははは……」





 外伝 ポチとなのは







 ◇◆◇◆◇

 八神家のみんながお仕事で家を空けるというので、今日と明日はポチを預かることになりました。……ジャンケンで勝ったわたしは自分自身を褒め称えたい。
 チラリと隣を見れば、ポチ。う~……どうしても顔がにやけちゃうよ~。
 長い銀の髪。深紅の瞳と丸眼鏡。ピンと立った犬の耳と一心不乱に振られる尻尾。そして今年で中学生になるなのはより五・六歳幼い、一見して美少女にしか見えない愛らしい容貌のポチは、何よりゲームが好き。
 だからさっきは麻雀セットを引っ張り出して、たまたま遊びに来ていた忍さんも混ぜてやってたんだけど……なのは的にはゲームに夢中でニコニコしてるポチを膝に乗っけてる状況が……もう、嬉し過ぎて嬉し過ぎて!
 思わずギュッとして、頭を撫でて――だけど、ポチはやっぱりゲームに夢中で気にせず、っていう、なんとも幸福な時間を過ごせてたんだけど、
「お。そろそろお風呂に入らないとな」
 切りの良いところで発したお父さんの台詞に、ポチは――固まった。
 ああ、そう言えば……ポチって、お風呂が嫌いだったような?
「…………」
 果たして、見る見る内に顔を強ばらせ、カチコチになって行くポチ。それを見てお父さんとお兄ちゃんは顔を見合わせ、
「あ。じゃあ、私、ポチと一緒が良いなぁ♪」
「……っ!」
 忍さんがにこやかに告げ、そしてポチはブンブン首を振ってそれを拒否。……別に忍さんとが嫌っていう意味じゃ無いのはわかるけど、そんなにお風呂、苦手なのかな?
「……私とお風呂は、嫌?」
 そしてそれは忍さんだってわかってる筈なのに、そう悲しそうな顔して言うのは……なのはが言うのもなんだけど、ずるいよ、忍さん。
 …………なのはだって一緒に入りたいのに。
「……………………」
 ポチはそんな忍さんにオロオロし、
 視線を泳がせ、
 俯き、
 拳をギュッと握り、泣きそうな顔になって、上目使いに忍さんを見つめ……こくり。
「……う!」
 そんなポチの一連の動作に、逆に顔を引きつらせる忍さん。……うん。その気持ちはよ~っくわかる。ポチの涙目プラス上目使いっていうのは、スッゴく心に来るよねぇ……。
 しかも、
「…………」
 ポチ、スッゴく落ち込んでる。……これは、忍さんじゃなくても心を痛めそうだよ。
「「…………」」
 さて、どうしたものか?
 そんな風にわたしたちは揃って顔を見合わせ、
 そして――

 ◇◆◇◆◇

 お風呂は……嫌いだ。
 だって俺は、男の子ですよ!? 中身は、れっきとした! それなのに女の人と一緒とか……本当に、精神的にキツいよ。……どうせヘタれだもん(泣)
 しかも今回は忍さんやなのはと一緒とか……。それでダメなら桃子さんか美由希さんと、って……。そこは親バカ士郎さんやシスコン恭也さんの出番でしょ? 止めるところでしょ?(涙)
「それにしても……やっぱり長いね、ポチの髪」
 果たして、心頭滅却の修行場的お風呂から上がり、椅子に座ってる俺の髪をドライヤーで乾かしてくれながら、なのは。その、シャツと短パンというラフな格好の少女と同じ格好の俺は、彼女の言葉に正面の鏡越しに視線を向け、軽く首を傾げて返す。
「……?」
 ちなみに今は眼鏡かけて無いんで殆ど見えない。うーん……でも髪の長さで言ったら、なのはや美由希さんだってそれなりだと思うけど?
「あはは。うん、綺麗……」
 ドライヤーも終わり、俺の髪に櫛を通しながら、なのは。対し、それにも俺は瞳を細め、されるがまま。はふぅ……やっぱり髪をとかして貰うのって気持ち良いなぁ……(悦)
「…………」
 うっとり、夢見心地で椅子に座すこと数分。湯がありということもあり、すっかりウトウトしていたらしい俺は、気付けばなのはの背に降り、不格好ながらも彼女に背負われ、運ばれていた。
 ……ああ、そうか。
 ぼんやりと思う。そう言えば、なのは達はもう中学生になるんだっけ……。
「…………」
 果たして俺はゆっくりと瞳を閉じ……少女の良い匂いと温もりに心底安心するようにして、また、夢の世界へと旅立って行った――。

 ◇◆◇◆◇

 『運ぼうか?』というお兄ちゃんの申し出を断り、なのははポチを背負って階段を上っていた。
 ……あ、あはは。思わず苦笑するのは、一段上るごとに息もあがる自分のこと。ポチが重いというのではなく、体力の無い自分がの笑えて……少し、悲しい。
 本当に……まだまだ、だなぁ。そう思い、そっとため息。
 そして同時に、『だけど』とも思う。だけど、わたしは――今は、背負えてる。
 脳裏を掠める、嫌な記憶。それは一年と少し前の……なのはが瀕死の重傷を負う『筈だった』時のこと。
 わたしは疲れていた。……そう、後から言われたけど、そんなのは関係無い。
 無理をしていたツケだ。……そう言われても、納得出来ない。
 だって、なのはは――今もこうして五体満足なのだから。すべてのダメージをポチが肩代わりしてくれたのだから。
 だから――
「……なのは」
 ポチをベッドに運び、部屋を出ると、そこではお兄ちゃんが待っていた。
「少し、良いか?」
 ? なのははお兄ちゃんの、いつもの無表情に近い――だけど決して冷たさを感じさせない顔を見て首を傾げ、それから『うん』と頷いて返しました。
「……ポチは、寝たのか?」
 視線をわたしの部屋へとやり、たぶん問いでなくこれから先の会話の前振りだろう言葉を吐くお兄ちゃん。
 なのははそれにも『うん』と頷き、そして静かにお兄ちゃんの次の言葉を待つ。
 果たして、
「……先ほどの麻雀のことだが――なのはは何か気付いたか?」
「え……?」
 ややあっての問いは、思いがけないものだった。
 ……麻雀? 首を傾げながら、思い出す。え、えっと……。脳裏に映るのは自身の膝の上で嬉々としてゲームに興じるポチの画。ああ……やっぱりポチって可愛い――って、そうじゃなくて!
 思い返す。考え、回想する。うーん……やっぱりポチって可愛――……ダメ。お兄ちゃんが何を指して訊きてるのかわかんないや。
「……じつはな。あの子――ポチは、麻雀でイカサマをしていた」
 え……!? 目を剥く。う、嘘……!? ゲームを誰より好きで、楽しんでるらしいポチのことをよく知ってるだけに信じられない。そ、そんな……! だってポチは――
「本当だ。俺と父さん……それに忍も薄々気付いていたらしいから間違いない」
「――――」
 言葉を、失う。……信じられない。だけど、信じざるを得ない。
 そしてそれは……凄い、ショックな――
「だけどな、なのは。俺たちはそのことを見逃した」
 ぁ……。優しい声音を響かせると同時に、いつの間にか俯いていたなのはの頭に手を押いてお兄ちゃん。
 そして顔を上げるわたしの頭をそのまま優しく撫で、
「俺たちはな。あの子のイカサマが……決して、あの子のためじゃないと、わかったからだ」
 言って、再び視線をなのはの部屋へ。まるでその扉の向こうで眠るポチを透かし見るようにしてお兄ちゃんは――微笑んだ。
「あの子は『俺たち全員を楽しませよう』、『みんなで楽しもう』……そんな思いからの細工。だから『イカサマ』というより『マジック』――『手品』に近い」
 ――それは、楽しませるために、
 それは、みんなのために、
「だから、俺たちは見逃した」
 ――もし、ポチが自身のためにそれを成したのならば、
 もし、ポチが自身だけが楽しむためにそれを行ったのであれば、
「ぁ……」
 気付く。
 思い知る。
「……そう、か」
 今さら、気付く。
「……ポチは、だから、ゲームが好きなんだ」
 今さら、思い知る。
「…………」
 なのははお兄ちゃんと同じように、見る。
 同じように、扉の奥を。微笑を、浮かべて――。

 ◇◆◇◆◇

 ……たぶん、なのはと一緒に寝ているからだろう。
 俺はその日、あの『なのは撃墜事件』の日のことを夢に見た。
 ――ッ! ――――ッ!?
 それは雪降る世界。白銀の地面に赤い血溜まりを作って体を横たえる俺に、たぶん声をかけているのだろうなのは。
 ――っ!
 声は、聞こえない。
 姿も、見えない。
 抱かれているのか。揺すられているのか。……それすら、わからない。
 ――っ! ――!!
 俺は…………壊れかけていた。
 なのはの受けたダメージのすべてをユニゾン状態だった俺が肩代わりしたせいか……既に五感は死んでいた。
 ――! ――ッ!!
 ああ、それでも――眠るワケには行かない。
 まだ、死ぬワケには行かない。まだ、彼女たちに背負わせるワケには行かない。
 だから――

「――……ポチ! ポチ!」

 目を、開ける。
 そこに、朝の陽光に映える栗色の髪の少女を認め、瞳をパチクリ。
 ……ああ、なのはだ。夢での少女より若干女らしく成長した彼女に、俺は笑みを作って『おはよう』と声無く口を動かし、

 ――目の前で下着姿を晒す彼女を認め、固まった。

「……大丈夫? うなされてたよ?」
 そう言って俺の目尻を拭い、眼鏡をかけてくれたなのはは今、たぶん制服に着替える途中なのだろう。下はスカートなのに上はブラ一枚というあられもない格好で――ああ、そう言えば、もう彼女たちはブラしてるんだぁ……(遠い目)
 やっぱり女の子の成長って早いなぁ……。そんな風に現実逃避しつつ視線を明後日へと向けようとし――俺は、目の前で無防備に晒される彼女の胸へと手を伸ばした。
「……ぁ」
 なのはが『しまった』って顔をしたけど、遅い。
 俺は――……顔を、歪めた。
 昨日は……気付かなかった。お風呂では眼鏡を外してたし、終始見ないようにしてたから……。
 だけど……見つけてしまった。
 目の前の、僅かに膨らみ始めた双丘。その下の、脇腹に近い辺りに軽く触れ、白く、綺麗なそこに走る、僅かな傷跡を撫でた。
「…………」
 俺は、俯く。……そっか。拳を、震わせる。……傷、遺っちゃったんだ。
「…………」
 涙が、溢れる。
 ……俺のせいで、傷が。俺が……。俺は、だって、それを回避出来たのに……。知ってたのに……! そのために、一緒に居たのに……!!
 涙が、零れる。
 ……最悪だ。最低だ!
 『原作』がどうかは知らない。だけど、女の子に傷跡を……! なのはに、傷……! 俺は――守れた筈なのに……!!
 俺は……! 俺は――

「――違うよ、ポチ。これはポチのせいじゃないよ」

 なのははそう言って、俯く俺の頬に両手を当て、やんわりと顔を上向かせて微笑。そして、
「これはね。消そうと思えば消せるの」
 …………え?
 果たして俺はなのはの台詞に目を丸くし、そして改めてそれを呆然と見つめた。
「これは、なのはが遺してるだけ。これは、だからポチのせいじゃないんだよ」
 言って、頬に当てた手をそのままに、親指を使って俺の涙を拭うなのは。って、え!? な、なんで……!?
 俺は彼女をマジマジと見る。な、なんで傷跡を遺すなんて、そんな――ええ……!?(大混乱)
「……あはは。やっぱり、変かな?」
 そんな俺に微苦笑を浮かべ、そして『コツン』とお互いのおでこを当てるようにして、
「でも、さ。傷跡は――……ポチも、でしょ?」
 瞳が、近い。
 だから、彼女の瞳は俺のすべてを見透かすように俺には映った。
「なのはのは……消せる。頼めば、すぐ。……だけど、ポチのは……違う。ポチの『傷跡』は……簡単には、消せない」
 そう言ってなのはは顔を、体を離し、そして窓際へと歩いて言った。
「わたしは……強くなるよ」
 瞳は真っ直ぐに。それこそ俺にはもう十分に強いと映る微笑をたたえて。
「だってわたしは――」

 ポチのことが、好きだから。

「……護って見せるよ。今度こそ、ね」
 そう言った、朝の光に照らされた少女は――……正しく、女神の様だった。



 ……半裸だし(///)
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